初恋-運命の恋人-
次に私が目を開けたのは薬品の臭いがする白い部屋。
「起きたか」
部屋を見渡すとカイが私に気づき声をかけてくれた。
そして此処が保健室だと言うことに気づく。
「カイ…」
私はさっかまで見ていた夢を思い出した。
それは叔父さん達に引き取られてから直ぐの、初恋の人に出逢った日の夢。
泣いている私に優しく声をかけて抱きしめてくれた、そしてこのネックレスをくれた男の子…
「…私の初恋って、カイなの?」
確信はない…
でも、昔感じた事のあるあの体温、夢で見たあの雰囲気、全てがカイと重なる。
「やっと気づいたのかよ」
カイがフッと笑って近づいてきた。
「え…」
「これ」
カイが私にネックレスを見せてきた。
それは私の持っているハートのネックレスと対になるもの。