初恋-運命の恋人-
「どういう事…?」
「私、許婚が居るんだ。顔も知らないけど…」
ホノカはこの学校の理事長の娘。有り得ない話ではないのかもしれない。
「だからサホが羨ましい。好きな人と一緒に居れて」
「クルミ…」
「私も、一回でいいから好きって言われたいなぁ」
クルミは口では笑っているけど、どこか悲しい表情をしている。
「クルミ、好きな人居るんじゃないの?」
ホノカはいつになく真剣な表情をして言う。
「オーイ!そこの3人帰ろうぜ!」
教室の扉からタクくんが叫ぶ。
「タイミング悪すぎ」
「何か言ったか?」
「何でもない!」
半ば逆ギレ状態でタクに言うホノカ。
「どうしたクルミ」
「ツバサ…、っ別に」
ツーくんは心配そうにクルミを見つめる。
「カイ」
「ん?」
「…何でもない……」
カイは私の事どう思う?そんな事聞けない。
自分の気持ちもよく分からないし、何よりカイの返事を聞くのが怖い。