初恋-運命の恋人-
教室に入ると、既に何人かの生徒が教室にいた。
「うわぁウチ一番前の席…最悪」
「残念、私は一番後ろ」
ヒナノを適当に宥め、自分の席つく。
「私幸野胡桃(ユキノ クルミ)よろしくね」
「私は成瀬沙帆。よろしく」
前の席の子に声をかけられ、驚きつつ一応挨拶を交わした。
「サホちゃんか、私はクルミでいいよ」
「私もサホでいいから」
クルミはニコッと天使のように微笑んだ。
ガラガラ―…
突然扉が開いたと思えば今朝の3人が教室に入ってきた。
「俺前かよ!最悪…」
来て早々、茶髪の中学生にあるまじき髪型をした男の子がサホと同じ事を言って前へ向かった。
「ん、俺らは後ろだぜカイ」
「おう」
わりと落ち着いてる感じの、だけどやっぱり色素の薄いブラウンの若干外ハネ気味の髪をした男の子が、黒髪のクールな感じの男の子と一緒に私達の隣にきた。
「クルミ!?久しぶり、だな」
「うん…」
ブラウンの髪の子はクルミと面識があるらしく、少し動揺していたようにも見えたが、爽やかに笑って席についた。
黒髪の男の子も、私を見た瞬間何故か固まったが、何も言わず席に座った。
私もさして気にもせず、そのまま先生がきてHRが終わり、帰りの準備をしていた。