誘拐犯は…神様だったのです!
「え?…ちょっ」
な、なに?!
彼の腕にしがみつく形に慌てて離れようとするけど、それをさせないと言わんばかりに肩に手を回される
「あ、あの…」
こ、この人なにをするつもり?!
ドクンと胸がイヤな音をたて、腕に力を込めると"はぁ"とため息が聞こえる
「そんなに拒否したら、母上にバレる」
「…!」
「母上に会いにいき、君が偽装だと怪しまれないためにも、出来れば私に寄り添っていてほしい」
「………あ」
そ、それは…確かに…言えてる
少しでも仲がいいように見せたほうが…いいのかもしれない…
「…」
だ、だけど…神様と言えど男の人なのはかわりない、だからドキドキと緊張しちゃう
「………っ」
心臓の音…聞こえないといいな…
なんて、そんな事を思い力を抜くと紫音さんはゆっくりと歩きだし、それに合わせるように私も歩く
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