誘拐犯は…神様だったのです!



「……あ」


手も驚くほど、若々しくて艶があり綺麗だ…本当に何歳なの?


少し疑いたくなるような見た目に戸惑いながもゆっきりとお母様の手を握る



「えっと、こちらこそよろしく…お願い致します…お母様」



「お母様…?…まぁ!なんていい響きなの!ね!紫音聞いた?お母様だって!」


グイッと紫音さんの服を握り引っ張ると、紫音さんは冷静な表情で腕を引き離す


「聞こえてます。そんなことより…そろそろ椅子に座ってはどうですか」


「え?あっ…そうね!お茶でもしてお話しましょう!えーと…ところでツヴァイはどこ?」


「?…母上を迎えに行ったはずでは?」

「え?私を?………あっ!そうだ、忘れてたわ!」


何かを思い出したのかポンッと手を叩きそのままペロッと舌をだす


「凜さんに会いたくて、ツヴァイを置いて来たんだった」


「…………」

「……」


「まぁ、しょうがないわね。ツヴァイのことだから時期にくるでしょう」


そう言い、頷きながらお母様は笑顔で私達の向かい側の椅子に腰をかける

い、いいの?そ、それで…なんて自由人なんだ…


そんな事を思いながら、私は苦笑いを返したのであった


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