誘拐犯は…神様だったのです!



お世辞に嘘を並べようにも、本当に分からないし…


数年付き合ったとなると、それなりに知ったわけだし…


「…えーと」


お母様の質問に、つい何を返したらいいか分からなく…戸惑っていると


「母上…あまり、彼女をからかわないで下さい」


「…え?…きゃっ」


突然グイッと肩を抱かれ、紫音さんの胸に抱きしめられる


なっ…なにをいきなり…お母様の前でっ!


「あ、あの…っ」

「凜は照れてるだけですから」


「!?」


「え?あら、そうなの?」


「はい」

「まぁ、それもそうね。いくらなんでも本人がいる前じゃ…恥ずかしいか…ごめんなさい?凜さん」


「いえ…別に…大丈夫です」


もしかして、紫音さん…助けてくれたの?


そう言えば、屋敷に来たばかりのときも助けてくれたっけ…


無表情だからよく分からないよ…


そんなことを思い苦笑いを浮かべると、お母様は頬杖をつきながら私たちを見つめる




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