誘拐犯は…神様だったのです!




「え!?」


「ちょ、待て!逃げるな」


「…やっ」


に、逃げるなって…そんな顔で近付かれたら誰だって逃げるよ!


「は、離してください」

「ダメだ」


ダメって…なんで?


思わずポカーンと彼を見ると相変わらず私を睨んだまま口を開く


「お前、人間だろう」

「…へ?」


「人間かって聞いてんだ」


「そ、そうですけど…」

「なら、ただの人間の女がなんでこの屋敷にいるんだよ」



なんでって…あぁ、この彼は私の事まだ知らないんだ

私から言うわけにはいかないし、弁解するにも何て言えばいいかわからない

てか、それより…初対面なのに失礼過ぎない?


人間かって…


この世界にきて、みんな礼儀正しかったけどこの人はありえない


こんな人に説明するなんていやだ


思わずムッとしてしまい、掴まれていた手を振りほどくと更に私を睨み付ける



< 167 / 616 >

この作品をシェア

pagetop