誘拐犯は…神様だったのです!
「え!?」
「ちょ、待て!逃げるな」
「…やっ」
に、逃げるなって…そんな顔で近付かれたら誰だって逃げるよ!
「は、離してください」
「ダメだ」
ダメって…なんで?
思わずポカーンと彼を見ると相変わらず私を睨んだまま口を開く
「お前、人間だろう」
「…へ?」
「人間かって聞いてんだ」
「そ、そうですけど…」
「なら、ただの人間の女がなんでこの屋敷にいるんだよ」
なんでって…あぁ、この彼は私の事まだ知らないんだ
私から言うわけにはいかないし、弁解するにも何て言えばいいかわからない
てか、それより…初対面なのに失礼過ぎない?
人間かって…
この世界にきて、みんな礼儀正しかったけどこの人はありえない
こんな人に説明するなんていやだ
思わずムッとしてしまい、掴まれていた手を振りほどくと更に私を睨み付ける
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