誘拐犯は…神様だったのです!




「お前…っ」


「あの」

「あ?」


「私がなんでここにいるか気になるなら、直接紫音さんに聞いて下さい」


「は?紫音さんじゃなく、"紫音様"だろ?」


「…………」


「なんだよ、その何か言いたそうな顔は」


「別に…なんでも」


言いたいことはあるけど、この人と話すのはなんか不愉快だ



無視してツヴァイさんを早く探そう



そう思い、彼に軽く頭をさげ踵を返して歩きだす


「ちょ、どこ行くんだよ!」


「…………」


「人間が歩き回っていい所じゃないんだ!」


「……」


む、無視…無視しよう


「無視するなよ!あー!!だから女はめんどくさい!」



私の背後で叫び、それも無視を続けると背後から何やら足音が近づいてくる


「………?」


ん?…まさか、とてもイヤな予感がする


おぞましいような、命の危機を感じ


そっと振り向くと――…


「お前!そこから動くなよ!」



「…!?」



彼がすごい勢いで走ってくる姿が目にうつる




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