誘拐犯は…神様だったのです!
「いえ…たまたますれ違った時に見つけただけですが、急いで追いかけて良かったです」
「え?」
すれ違った?彼の言葉に疑問に思う。あれ…私のこの人とすれ違ったっけ?
ここに来て、すれ違ったのはあの男性だけだったのに?
もしかして、気付かなかっただけ?
そんな疑問が頭に浮かぶと、彼は更に口を開く
「ところで、とても綺麗な鍵のネックレスですね」
「え…あ、はい」
「なにか、大切な物を開ける鍵ですか?」
「…………」
大切な物…か…
何かを開けると言うか…神様の鍵…なんて言ったら笑われるよね
「いえ、そうゆうのじゃないんです…でも、大切な物です」
「……」
ネックレスの入った鞄を触り、私は頭を軽く下げる
「だから、本当に拾ってくれてありがとうございました」
「いえ、礼には及びません。当たり前のことをしたまでです」
「でも…」
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