誘拐犯は…神様だったのです!
「…う」
い、痛い…朝もベッドから降りて痛いのにまたこんな目に合うだなんて…
なんて度々ドジばかりしちゃうんだろう
額と脚がジーンと痛く涙を浮かべながらぶつかった物を見ると―…
「……あ」
「り、凜様?」
そこには、私が探していたツヴァイさんの姿があった
「どうしてこのような所に、探していたんですよ」
慌てて私に近寄り、ゆっくりと差し出された手に何かが込み上げてくる
よ、良かった…た、助かった…
そう安心してしまい何を思ったのか、勢いよく立ち上がりツヴァイさんに抱きつくとビクッと彼の身体が震える
「ツヴァイさんっ」
「え、り、凜様?」
「助けて下さい!変な人に追われてるんです!」
「え?変な人…ですか?」
何がなんだか分からないのか、不思議そうにツヴァイさんは私を見つめていると
「あ!ツヴァイさん!」
「…!?」
私を追いかけて来た男がツヴァイさんの姿を見つけるなり
信じられないほど礼儀正しく頭を下げ私達に近付いて来た
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