誘拐犯は…神様だったのです!
「…なっ」
いきなり、なんなの!?
突然のことに私は目を見開いて彼を見ると特に気にしたようすもなく
私を透き通った瞳で見つめてくる
「貴女とは、また会えそうな気がします」
「…っ」
「気を付けて下さい。月が隠れる夜は彼らの自由ですから」
「…………ぇ」
そんな意味の分からない台詞を言うなり、私の手を離し
礼儀正しく頭を下げると、彼は背中を向け物音を立てずに歩いて行ってしまう―…
その後ろ姿を唖然と眺めると再び冷たい風が吹き抜け私の身体を冷やしていく
「な…なんだったの…?」
キスをされた手を握り思いだすと頬が赤くなる
い、いきなりキスするなんて!
あのスキンシップの激しいグレンさんでもあんなことはしないのにっ
「……」
なんだか、不思議な気分に襲われるけど
怒りはない。だ、だってネックレス拾ってくれたし
話し方とか立ち振舞いがとても素敵で悪い人には思えないから…
「………」
彼の後ろ姿を眺め、次第に見えなくると
私はさきほど言われた言葉を思いだす。
そう言えば…また会えるって…なんだったんだろう
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