誘拐犯は…神様だったのです!
でも、言われてると…風神、雷神だもんね…納得出来る
「ど、どうも…よろしく、お願いします…」
鋭い視線に堪えながら、頭を下げるとフッと鼻を鳴らし私から視線を反らす
「よろしくなんて、されたくない。人間の花嫁なんかと慣れ慕うつもりは私にはない」
「………」
「それより、トール…話をそらしたが、2度とあの話をするな」
「え?あー…いや、お前な…」
「紫音様なりの考えだ、人間の花嫁を迎えたのも、歴史を含め全てを承知のこと。だからそのことに関して口を開くな」
言い争う…とは、少し違うけれど
ただ、冷たく、感情のない言葉にトールさんは諦めたように息をはく
「あ、あぁ…分かったよ…俺が悪かった。だから、そんな顔をするな」
「………」
「全く、お前の紫音様贔屓は、ある種の愛だな」
「主として、愛はある。それが何か不服か?」
「いーえ、男より人間でも女の方が俺は好きだからな」
プイッとフウさんから顔をそらし、私の傍で自信満々な顔にオーディンさんは無表情のまま背中を向ける
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