誘拐犯は…神様だったのです!
花束を君に
―――――…
―――…
そして、また数日が経過し…私がここにきて1ヶ月がたとうとしていたある夜のこと
「…え?人間界にですか?」
「そうなの!久しぶりに人間界に出掛けることになったの」
紫音さんのお母様に誘われ、二人で夕食を食べているときに、お母様はそんなことを口にした
どうやら、お母様は先代の王、つまり紫音さんのお父様と一緒に人間界に行くらしいのだ
「そ、そうなんですか…」
いいな…なんて思いながら紅茶を飲むと、お母様は頬杖をつきながら私を見つめてくる
「えぇ、それでね…人間界には素敵なお城があるって聞いたんだけど、オススメは何処かな~って聞こうと思って」
「お城、ですか?」
「えぇ、あ!あと林檎って食べ物も食べてみたいの」
「あ…あー…」
林檎…ね。どうやら神様の世界には林檎と言う果物は存在しないらしい
・