誘拐犯は…神様だったのです!





「味はかわらないの?」


「そうですね、それはものによりますね。私は赤い方が好きですけど」


「そう!じゃあ、お土産に林檎をたくさん買ってくるわ!」


「あ、ありがとうございます」


う、嬉しいな…こっちにきて食べてなかったし


ニコリと笑い、お母様に言うと紅茶を一口飲み込む



「はぁっ、でも楽しみだわ。人間界にはもう長い間行ってないから」


「あ…そうなんですか?」

「えぇ、凜さんもご存知かと思うけど、人間界には簡単に行ける立場じゃないから」


「…あ」


そうか…花嫁だもんね…


「凜さんはホームシックとかにはならない?」


「ホームシック…ですか」


ホームシックと言っても、帰っても誰もいないしな…まぁ、別の意味では帰りたいけど



「ご家族はいないと聞いているけど、友人とかに会いたくない?」



友人ね…


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