誘拐犯は…神様だったのです!




「私は、王になる時に風神と雷神に伝えたはずだ。アン様の意識を継ぎたいと」


「………っ」

「だから、人間を花嫁に迎えることは分かっていたはずだ」

「それは…」

「…特に風神には、分かって欲しい。私を一番に思うお前には」


「……紫音様」

「…お前を信じてる」



そう言うと、紫音は一瞬だけ凜を見つめ静かに部屋を後にした―…













「………」


部屋には残された風神にソファーで眠る凜の姿



静けさだけが残り、紫音が出ていくと風神はギュと手を握りしめる



「アン様の意識…そんなの分かってる…だけど、貴方の傷が私を残酷にさせるんです…」





そんな風神の言葉は虚しくも暗闇に消えていった―――……















< 233 / 616 >

この作品をシェア

pagetop