誘拐犯は…神様だったのです!
「私は、王になる時に風神と雷神に伝えたはずだ。アン様の意識を継ぎたいと」
「………っ」
「だから、人間を花嫁に迎えることは分かっていたはずだ」
「それは…」
「…特に風神には、分かって欲しい。私を一番に思うお前には」
「……紫音様」
「…お前を信じてる」
そう言うと、紫音は一瞬だけ凜を見つめ静かに部屋を後にした―…
「………」
部屋には残された風神にソファーで眠る凜の姿
静けさだけが残り、紫音が出ていくと風神はギュと手を握りしめる
「アン様の意識…そんなの分かってる…だけど、貴方の傷が私を残酷にさせるんです…」
そんな風神の言葉は虚しくも暗闇に消えていった―――……
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