誘拐犯は…神様だったのです!
「…紫音さん?!」
バサッと勢いよく、起き上がるとその拍子に私に掛かっていたなにかが、床に落ちる
…え?
これって…紫音さんの羽織り?
床に落ちた羽織りを拾い、キョロキョロと部屋中を見渡すとそこには誰もいない
あ、そっか…わたし…いつの間にか寝ちゃったんだ…
寝た記憶はないけれど、誰もいない部屋にソファーにいるわたし、そしてこの羽織りで
そのことが分かる―…
それに紫音さんってば…私に羽織りまで掛けてくれるなんて…
何気ない優しさに胸がキュンと締め付けられ
嬉しいな…なんて思いながら、羽織りをたたみソファーから立ち上がる
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