誘拐犯は…神様だったのです!
優しい笑顔
―――――…
―――…
数日後――…
「は…はっ…は、くっしゅんっ!」
「うわぉっ!」
バサッ、バサッ
と、勢いよく発せられたくしゃみと同時に沢山の紙が床に散らばり、それをみたトールさんが私を睨むように見つめる
「お前、びっくりさせるなよ…」
「あ、ごめんなさいっ…止まらなくて」
「はぁっ…たっく…ちゃんとツヴァイさんが用意してくれた薬は飲んだのか?」
「う…は、はい…っ…一応…飲んだんですけど」
ズズゥと思いきり鼻水をすい、近くにあったティッシュで鼻をかむと散らばった紙を広い私に差し出してくる
「まったく、あんな所で寝てるからだよ」
「…う」
実はこの間、紫音さんと木の上で眠ってしまい
私が起きた頃には、太陽は沈み空は薄暗く、不思議なことに木の上でなく、木の下にいた
そして肝心の紫音さんはいなく、前と同じように羽織りだけか私に掛かっていたのだ
「はぁっ…息が出来ない」
しかも、そのせいだろう…少し寒かったせいか私はすっかり風邪気味になってしまった
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