誘拐犯は…神様だったのです!





たぶん、あの日の夜くらいだと思う。そのくらいから喉に違和感があり


なんとか治ったと思ったら、鼻がつまりくしゃみも止まらない



「薬効いてないんじゃねぇの?」


「そう…なん、ですかね…」


トールさんに差し出された紙を受け取りそれをテーブルにおき、私は再び鼻を勢いよくかむ



実は少し風邪気味になってから、ツヴァイさんに人間界に行ってもらい薬局で市販の薬を買って来てもらった


本当はわたしは、市販の薬はあまり効かなく、いつも掛かり付けの病院にいっていたんだけど


人間界に戻れないわたしは、それも出来なく…仕方がなく市販の薬を飲んでいた


あまり効かないと内心思っていたけど、やっぱり効かなく…一向に治る気がしない



「…はぁ」


「凜様、屋敷ないの鼻紙を全部使いきるつもりかよ」


「…え?」


あ……はは


私の近くにあるゴミ箱には使い捨てたティッシュの山


テーブルには空っぽになった箱だらけ



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