誘拐犯は…神様だったのです!
「………」
はぁっ…どうしよう…また気まずいな…
どうもフウさんと二人きりと言うのは、まだ慣れなくその場で無言で立ち止まっていると
フウさんは私をチラリと見て相変わらずの冷たい声色を私にむける
「紫音様の命ですから」
「……?」
「全く、なんで私が人間をあそこに連れていかなくちゃならない…汚れるだけだ」
「あ…はは…」
いや…だから、そこまで言われて連れて行かなくていいんだけどな…
「あの、フウさん…私は本当にいいですから…紫音さんには後で私から言いますし」
花瓶を片手でもち、もう片方の手を振ると、そのままフウさんの手が伸びて来て私の手をギュと握る
「……へ?」
「紫音様の命令は絶対」
「いや…あの」
「人間に…いや、凜様に拒否権はない」
「え、きゃ…ちょ…!」
グイグイと私の腕を掴んだまま歩きだすフウさん
い、痛い…
いくら紫音さんの命令でもいいって言ってるのに!
フウさんとだなんて、悪いけど余計に疲れるだけだよっ
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