誘拐犯は…神様だったのです!
―――――…
―――…
「……………」
凜が1人で走って行ったあと、風神はしばらくその場に立ち止まっていた
何かを考えてる、だけど顔は何も考えてるように見えない
そんな雰囲気を漂わせ、風神は手の上にある羽織りを眺める
「…胸は…ある、か」
自身の嫌みに対して、思いもしない反抗だったのだろう
言われた事を復唱すると、無意識に風神の口元がニヤける
「面白いことを言う…紫音様をタブらかしたと言いたいのかもしれないが、そうじゃないだろうに」
ユラッと揺れる銀色の髪の毛を耳にかけ風神はゆっくり歩きだし、冷たい表情のまま頭にある映像を浮かべる
「しかし、確かに…あの女…胸はあるのは確か」
歩きながら頭に浮かべてるのは凜のことだろう
「もしや、紫音様があの人間を偽物として選んだのは…あれ(胸)のためか?…それで、主はあれが好き…」
いや、まさか…そう言葉を続け考えたことを全て振り払い風神も表出口に向かったのであった―…
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