誘拐犯は…神様だったのです!




「………あ」


彼が少し動いたせいで、ハッキリ目に見えた姿にズキッと胸が痛む


違和感がはっきりとした…あれは翼だ。でもちゃんとした翼じゃない


右の翼は綺麗にそびえてるもの、左の翼は大きくかけている


そして、それだけじゃない…違う彼は両羽はあるもの…右の羽が裂けてる


そんな翼ばかり持つ彼ら…


どうして…あんな翼を?


親衛隊の皆は一度しか見てないけれど綺麗で大きく存在感があった


なのに……どうもおかしい翼


無意識に手が震えると、怒りを含んだトールさんの顔がゆるみ私をみる



「凜様」


「……は、い」


「あれは、愚罪の子(神)だ」


「愚罪(ぐざい)の子…?」


「…あぁ」


小さく頷くと、私を抱き締めるフウさんを見つめなにか目で合図をするとフウさんの腕が離れる



< 305 / 616 >

この作品をシェア

pagetop