誘拐犯は…神様だったのです!




「…あっ」



身体が離れ、力を入れられたせいか少し腕がピリッと痛むも、それをこらえ手で撫でながらトールさんの言葉に耳を傾ける



愚罪の子って…どうゆう意味なの…?


首を傾げながら、トールさんを見るとゆっくり口を開く




「…そのままの意味だよ」


「その、まま?」


「あぁ、この空界でもっとも愚かな罪を背負った神」


愚かな罪って…


「なんです、か…その罪って…」


「翼だよ」

「翼?」


あの、傷のついた翼のこと、だよね?


「あの翼は…」

「………?」


なに?


胸の鼓動が早く鳴り響き、声をひそめる私にはリアルに聞こえる


それは、トールさんやフウさんが放つイヤな空気を感じてるから


まさか、あの翼は…そんなイヤな予感が頭をよぎった時――…



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