誘拐犯は…神様だったのです!
「いつまでも寝たフリをするな。傷が癒えたのなら、その女をトールのもとに連れていけ」
「………へ?」
フウさんがそう言うと、ハヤブサはパッと瞳を見開いて、勢いよく翼を広げながら立ち上がる
「……え」
う、うそ。たちあがった!?
な、なんで…だってさっき少し瞳を大きくあけただけでまだ身体とか全く動かさなかったのに?
それが今は、羽をバサバサと動かし私に近付いて来てる
「あ……はは…」
何と言うべきか…良かったんだけど、何か複雑な気分で呆然とハヤブサをみつめると
フウさんの声が私に向けられる
「凜様」
「え、あ…はいっ」
「早くここを離れたほうがいい。南西の方角にトールがいる。奴に合えば安心ですから」
「…フウさん…」
「彼らとは私が話をつけます。だから早く」
逃がそうとしてくれてるんだ…フウさん
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