誘拐犯は…神様だったのです!





実は、走ってる途中からだんだんと具合が悪くなってきて


ここに来た時は、すぐにでも意識を失いそうだったけど


小鳥達がくれたクローバーを口にしたら、不思議なことに意識を保つ事は出来ていた


ダルいし、熱い、苦しいのには間違いないけど


意識を保てると、保てないとでは全然違うから…



「…はぁっ、はぁっ」


身体を大きく揺らしながら息をする私に小鳥達は心配そうに見てる


大丈夫って、言いたいけど…苦しくて口も開けなく精一杯の力で必死に笑顔を向けると


小鳥達は、私を暖めようとしてくれるのか濡れた服にピタッと寄り添い


ハヤブサも私の身体に寄り添ってくれる




嬉しいな…実際、そんなに暖かくないけど…


その思いが嬉しくて、軽く小鳥達を撫でると気持ち良さそうに身体を震わせる



「……」



そんな小鳥達を見ながら、ある疑問が浮かぶ



だけど…私はこのままどうなるんだろう


フウさんを探しに行きたいけど、身体は動いてくれない。それはトールさんも探せないってことで…



誰かが気付いてくれるまでここにいるしかないってことだ



「はぁっ…はぁっ…」



それはつらいな…


それに、なんだか…だんだん息をするのも辛くなってきたし…腕も痛いし…


私は、このまま死んでまうのかな…


ゆっくりと瞳を閉じれば目の前に浮かぶのは人間界の皆の顔





< 358 / 616 >

この作品をシェア

pagetop