誘拐犯は…神様だったのです!



私を、かばったせいで…フウさんが…


「……うっ」


「その涙は、我々に同情を買うつもりか?」


「……っ」


「風神様を思い涙をながせば、我々が貴様を見逃すとでも?」


「……っ」

「はは、人間とは嘘が上手い。所詮…お前もそうさ。だから、我々は騙されぬ!」


「……っ」


地面が揺れるかと思うほどの声に、身体がビクリと震えるもの


悔しさや、悲しさに混じり彼らに怒りの感情が生まれてくる


どうして…どうして、そんなに…人間を恨むの?


人間を恨んで、人間ではある私が憎いなら…なんで人間じゃないフウさんを…


いくら庇ったからって…それば罰だと言い…フウさんを傷つける意味がわからない


私を…私を…殺ればいいのに…


ギュと大地を握ると、わずかに私の爪痕がのこり…私は彼らを見上げる




「…なんだ、その眼は」


どんな目で私は彼らを見ているんだろう

わからない、でも…わかる。彼らを睨むように見つめる私に、彼らは眉を潜め



その鋭い爪を私の首に突き刺す


「我らをそのような目でみるな」


「……っ」

「イラつく。まるで我らを見下したような目」


「………っ」


「我らが愚罪の子だからか?そのような名前を付けられたのも、そもそもお前ら人間のせいなのだ!」


「…………あ」


身体をブルブル震わせ、私を真っ直ぐ見つめる瞳に


不思議と私の胸がチクッと痛くなる



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