誘拐犯は…神様だったのです!





「………」


抱き締められていても、分かる。紫音さんが他人を威圧させる雰囲気


その雰囲気に彼らは一歩下がりばつの悪そうに顔を反らす



「お前ら…彼女が私の花嫁だと知っていた牙を向けたのか?」


「…そ…れはっ」



「言い。分かっていたんだろう?お前らの気持ちは分からなくはない。だが、彼女は私の…」


「……?」

「私の、大切な花嫁だ…これ以上、傷をつけるのはやめて欲しい」


「…紫音様」


「それに、いつも言っていただろう?人間を恨むのは…ただ虚しいだけだと」


「…?」


切なげに発せられた紫音さんの言葉に、彼らはぐっと唇を噛み締める



「恨み続け、信念を通すだけが強さじゃない」


「………」


「許す、と言うことも…また強さなんだ」


紫音さん……


「今回は、彼女が無事だったから許そう。だが…次はないと思え」



最後に紫音さんがそう言うと、彼らは"わかりました"と呟き


私達の前から姿をあっという間に消して行った――…








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