誘拐犯は…神様だったのです!




鶏肉に、にんにくや、玉ねぎ、人参に、ニラに卵、そしてゴマの聞いたお粥



ご飯だけの、味のないお粥が苦手な私にはおばあちゃんのお粥が一番のご馳走だった―…




『じゃあ、早くねるっ』


『…えぇ』


布団を口元まで引っ張るとおばあちゃんは変わらず額を触り優しく頭を撫でる


『おばぁーちゃん…大好き…』


『ふふ、私もよ』


『ふふ!』


『うふふ』






















けれど―――……




ある日を境に―…












『…はぁっ…う』



そう、おばあちゃんが亡くなってから


優しい手も、温もりも…秘伝のお粥も…







何もかも…永遠と味わえないものになった――…
















だから―――……




おばあちゃんが亡くなって数年―…




この苦しみにも慣れて来たのに―…


なんだか、今は苦しい―…





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