誘拐犯は…神様だったのです!



苦しくて、熱くて―…


身体が重いよ―…



「…お…ばぁ…ちゃ」




おばあちゃん…助けてよ…苦しいよ…熱いよ…



いくら胸で叫んでも、叫んでも…おばあちゃんは来てくれない



どうして…?おばあちゃん…私のこと嫌いになったの?


そんなの、嫌だよ…おばあちゃん…おばあちゃん



「お…ば…ちゃ…ん」




苦しい呼吸の中、そう必死に名前を呼ぶと―…












「凜…?」


「………ん」


だれ…?この声…



「凜、大丈夫だから」


「…っ」


「傍にいるから」



そんな言葉が耳をかすめると、額に感じるひんやりとした手


「…あ」


この手……




「……」



優しい手、冷たいのに、胸が温かくなるような手



おばあちゃんだ…おばあちゃんの手……?






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