誘拐犯は…神様だったのです!




「……………」


「………っ」


睨み合う、とは少し違うけれど…お互いの無言の思いを視線でぶつけると


紫音さんのエメラルドグリーンの瞳がため息と共に反らされる



「凜は、頑固だ」


「だ、…だって…」


紫音さんのこと…知りたいんだもん…もっと沢山彼のことを知りたい



そんな感情の芽生えに彼を見つめると、紫音さんはため息をはき…数秒間の沈黙をおき


ニヤリと笑う―…


「分かった」


「…?」

「教えてやるさ」


「本当、ですか?」


「あぁ、但し…私が出す問題に答えられたらな」

「問題?…い、いいです、よ?」


それで、教えてくれるなら…なぞなぞは小さい時から得意だし!


両手でガッツポーズをする私に紫音さんは怪しく笑いながら、手を開いたまま私に向ける



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