誘拐犯は…神様だったのです!
「…え?」
大きくひんやりした感触に胸がドキッと波打つと紫音さんの顔がゆっくりと近付いて来る
「…ちょっ」
「馬鹿だ。普通に飲まないなら、飲み方はこれしかないだろう」
「…え」
手の平の錠剤を自らの口に含み、もう片方の手で包むように頬を触られた瞬間だった――…
「………!?」
「………」
目の前に紫音さんの綺麗な顔が写った時
唇に感じた柔らかい感触にビクッと身体が震え少し唇を開けると
「……ん」
身体中にビリっと電気が走った…
「~…っ」
な、なにこれ……っ
身体の力が抜け魂まで抜かれてしまう初めての感覚に無意識にギュと瞳を閉じると
口の中に、物凄い苦味が走ると同時にゴクリと何かを飲み込む音
こ、これ…まさか…く、薬?
あまりにもの苦さに、紫音さんから離れようにもガッチリと抑えられてる手のせいで離れられない
「……」
ど、どうしよう…っ
苦さと一緒に感じる、紫音さんの熱
や、ヤバい…かも…
こ、こんなキス…は、初めてだ…前みたに触れるだけのキスじゃない
情熱的で、熱くて、とろけてしまいそうなキス
ど、どうしよう…いきなりされてるキスなのに嫌じゃない
紫音さんの熱を私の身体は受け入れてる…
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