誘拐犯は…神様だったのです!
第5章

動き出す心






―――――――…
――――…




翌朝――…


「もう…熱は…ないみたいだな」


「………」


太陽がのぼり始め外が明るくなった頃、紫音さんはベッドから起き上がる私の額を触りながそう言う



「…は…ぃ」



昨日、あのままグッスリと寝てしまい…気付いたら朝になっていた


変わらず、紫音さんに抱かれたままで…なんだかそれが気持ちよくって


動かないで、彼を感じていたらしばらく経過した時に紫音さんは目を覚まし今に至る



「熱は下がっても、油断しないでしばらくは薬を飲むように」


額にあった手を離し、彼は私から離れると着ていた軽めの着物をぬぎ


いつものように、綺麗な着物に袖を通しさらっと細い髪の毛を束ねると



いつもの紫音さんになった―…



「じゃあ、私は朝から用事がある。夜は遅いから速めに寝るように。あと薬もだ」


「は、はい…」



再度念を押されてしまい、小さく頷くと彼は私に近づき大きな手で頭を触る



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