誘拐犯は…神様だったのです!


「…なっ」


「上出来、今日からずっとだから」


「…っ」


額を触り呆然とする私に彼はふわりと笑い部屋のドアに向かって歩いていく



「じゃあ、私は行く。しばらくしたらトールかツヴァイに部屋に行くように言う。だから、それまでに赤い顔を治しておくように」


「……っ」


「じゃあ…また夜に」



そう言うと、ガチャと音を立て紫音さんは部屋を出ていった



残された部屋には私だけで…


もうピクリとも身体が動かない


だ、だって…紫音さんってば狡い


私にキスをさせて、自分もするだなんて…


「…も……う」




朝からこんなにドキドキさせないでよ…



「…馬鹿」



昨日のキスもそうだし…毎日あのキスをしろとか…もしかして紫音さんってキス魔なの?



「……はぁっ」



あー…もう…


いや、とか…そんな感情はない。けれど、この気持ちは上手く表現出来ない



ぐるぐるとよく分からない感情、ううん…正解には分かってる


だけど、それを認めるのが怖い














私が…彼を…紫音さんを好きになってるってことを―……


















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