誘拐犯は…神様だったのです!
「血相をかえて立ち上がり、他の王達の言葉など聞く耳持たずに屋敷を飛び出したのです」
「…………え」
「私も急いで小鳥達に事情を聞き他の王達に説明をして紫音様を追いかけましたが…とにかく…彼は焦っていました」
「…………」
「見つけた時は凜様の安全を考え私が保護する話しをしていたのにも関わらず…凜様は自らの手におさめましたし」
「………」
「紫音様にとって…凜様の存在は大きくなっている…と感じました」
そ、そんな……
ツヴァイさんから聞かされた知らない事実に胸がなる
紫音さん、そんなこと何も言わなかったのに
嬉しさと恥ずかしさが混じり、それを隠すように紅茶を飲むと空になったカップにまた紅茶をつぐ
「照れないで下さい。私は貴重なものがみれて新鮮でしたから」
「……うっ」
「あ、そうです…小鳥達やハヤブサも凜様を心配していたので、気分展開に屋敷内でしたら歩いても構わないので探してみて下さい」
「……え」
「たぶん、屋敷内の木のどこかにいるはずですから」
あぁ、そうか…小鳥達も心配してくれてるんだ…なんだか悪いな
そう思い、ツヴァイさんに向かって頷くと彼はニコリと笑う
う………っ
その意味深な笑顔に私はやはり恥ずかしくなりながら、ゆっくりと朝食をとったのだった
・