誘拐犯は…神様だったのです!
「花嫁にすれば…誰にも文句はいられない。それにこの鍵も彼女に使わせられる」
「確かに、それもそうですね…」
ちょ、ちょっと待って。な、な、何を言って…
「あ、あの…勝手に話を進めないで下さいっ」
第一、花嫁にする?わたしがこの人の?じ、冗談じゃない。
必死に首をふり、手を振り払うと相変わらず冷めた瞳を私にむけたまま怪しく口元が微笑む
「満月が高く登り…」
「……え?」
「空を一面照らす夜、神は花嫁を迎えいれる」
「………」
「キミは、今日から私の花嫁だ」
誘惑されるような、誘うような声色で囁かれた瞬間
「……っ」
ひんやりとした手のひらが私の頬を包み―…
「……ん」
身体がビクリと震えると同時に、私の唇に触れるだけの熱い感触が襲った
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