誘拐犯は…神様だったのです!
「………あ」
ガチャンとトールさんが出て行きドアが閉まる音が響くと紫音さんは床に座る私に近づき目の前にしゃがみこむ
ドキッと胸がなり、視線を反らすと彼の綺麗な指が私の首筋を触る
「凜は、男を襲うのが趣味なのか?」
「…え?…あ…ち、違いますよっ」
そんな趣味は私にはない
首筋を触られて身体がゾクッとするもの、その感覚に耐えながら言うとクスッと鼻で笑う
「知っている。凜にそんなことは出来ない」
「……ん」
首筋にあった手が耳たぶに移動し、焦らすように手を離すと紫音さんは私に頬を近づける
「それより、いつものがまだだ」
「ぇ?…あ…っ」
うぅっ…"いつもの"の言葉に私の身体の温度が上がる
実は、この間…行ってらっしゃいのキスをしてから毎日のように朝と帰って来た時に…こうやってキスをせがんでくる
いや、ではないけれど…いまだになれなく…こうやって顔を赤くしてしまいドキドキは止まらない
それなのに、キスをせがむ紫音さんの言うことを聞いてしまう私
「……ん」
チュと彼の服を握りながら頬にキスをし上目遣いで見つめる
「お、お帰りなさい…紫音さん」
「…あぁ」
は、恥ずかしい…!
お帰りなさいなんて言葉も本当は恥ずかしくてたまらなく言ったあとに1人でモジモジしていると
いつの間にか立ち上がった紫音さんは、そんな私にお構い無しに髪をほどき綺麗に結び直す
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