誘拐犯は…神様だったのです!
「……」
紫音さんは、やっぱり慣れてるのかいつも余裕の表情
それは凄いと思い、私も見習いたいけど…私には無理そうだ
そんなこと思い、いまだに床に座り込む私にトールさんは口を開く
「凜」
「あ……は、はい。なんでしょうか?」
振り向き紫音さんを見ると、いつの間に着替えたのか、さっきとは違う服を着ている
着物がベースなのは変わらないけれど、いつもよりお洒落な服
なにを着ても似合うんだから、うらやましい
つい見とれる私に紫音さんは手を伸ばし座り込む私を立たせる
「じゃあ、そろそろ行こうか」
「あ、はい。そうですね」
私が頷くと紫音さんはチュと私の頭にキスをする
「…あ」
「夜会は何があるか分からない。凜にとって危ないヤツはいないとは思うが…帰るまでは常に気をはっていて欲しい」
「……はい」
「もし、何かあったらすぐに私に言うように」
"いいな?"と念を押され、それに頷くと紫音さんは私の肩を抱き歩きだす
私もされに促されるように歩き、部屋をあとにして紫音さんと共に夜会に向かったのだった
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