誘拐犯は…神様だったのです!





「……」


紫音さんは、やっぱり慣れてるのかいつも余裕の表情



それは凄いと思い、私も見習いたいけど…私には無理そうだ



そんなこと思い、いまだに床に座り込む私にトールさんは口を開く



「凜」


「あ……は、はい。なんでしょうか?」



振り向き紫音さんを見ると、いつの間に着替えたのか、さっきとは違う服を着ている


着物がベースなのは変わらないけれど、いつもよりお洒落な服


なにを着ても似合うんだから、うらやましい



つい見とれる私に紫音さんは手を伸ばし座り込む私を立たせる



「じゃあ、そろそろ行こうか」


「あ、はい。そうですね」


私が頷くと紫音さんはチュと私の頭にキスをする


「…あ」


「夜会は何があるか分からない。凜にとって危ないヤツはいないとは思うが…帰るまでは常に気をはっていて欲しい」


「……はい」


「もし、何かあったらすぐに私に言うように」


"いいな?"と念を押され、それに頷くと紫音さんは私の肩を抱き歩きだす


私もされに促されるように歩き、部屋をあとにして紫音さんと共に夜会に向かったのだった





























< 413 / 616 >

この作品をシェア

pagetop