誘拐犯は…神様だったのです!
上手く挨拶をしなくちゃいけないと言うプレッシャー…
それに加え、この雰囲気は私に更なるプレッシャーを与えていた
そんな私の様子に心配してくれるのか、そっと私の肩に手を回し"大丈夫だ"と囁く
「は…はい」
紫音さんの言葉は心強いけれど、完全に緊張をほぐすことが出来なく背筋をピンっと伸ばしたまま黙って座っていると―…
「あ、これは…紫音様、お久しぶりでございます」
「…………?」
スラッとした体型に黒のスーツを身に付けニコリと笑う優しそうな顔をした男性が私達の前で立ち止まり礼儀正しく頭を下げてくる
「…………?」
あ…えぇーと、この人は確か…
紫色の綺麗な瞳で優顔のスーツの男性…
覚えた記憶をさぐり、それが一致すると彼はニコリと笑いながら私と紫音さんを交互にみる
「今夜は、紫音様の花嫁様を拝見出来ると知り、とても楽しみにしていました」
「………あ」
その言葉に、慌てて立ち上がり頭を下げると目の前の彼は胸に手をおき私を見つめる
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