誘拐犯は…神様だったのです!




「花嫁様、自己紹介が遅れてしまいました。初めまして、私はサイと申します。地天界の王である扇李に使えています」



「………」


そう、彼は…扇李様と言う王に使えるサイさんだ



初めて出会うのに、全身から漂う優しい雰囲気につい頬が緩みゆっくりと私も頭を下げる



「は、初めまして…凜と言います」


「はい、存じていますよ。紫音様の初めての花嫁様なのですから…色々な意味で有名です」


「…え?」


あは、は…そうだよね…



苦笑いをする私に対して、サイさんは椅子に座ったまま、クールな顔つきで成り行きを見ていた紫音さんに視線を向ける



「それにしても紫音様、とてもお優しそうな花嫁様ですね」




「…あぁ、だが、そっちも負けてない」


「え?あ、あぁ…そうですね。ありがとうございます」


「別に…それより、扇李の姿が見えないみたいだが」


紫音さんの言葉に、サイさんは苦笑いを浮かべる




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