誘拐犯は…神様だったのです!




「…え?」


「気分転換にバルコニーにでも行こう」


「……バルコニー?」


「あそこからの景色は綺麗だし、風も空界とは雰囲気が違う。多少は落ち着く」


「…紫音さん」


もしかして、緊張してる私に気を使ってくれてるんだ…


嬉しいな、うん…素直に凄く嬉しい


無意識に頬が緩み、紫音さんの腕に絡みつくようにくっつくと


それを少し驚いたように見つめ、またすぐに元の顔に戻ると私を促すように歩きだし、私達はバルコニーに出た





















―――――…
―――…




「んー…気持ちいいですね」


「………」


バルコニーに出た私と紫音さんは並ぶようにして手すりに手を置きながら外の景色を眺めていた



フワッと夜風にのりながら香る海の匂い



実は深界は海の上に出来た水上都市みたいな作りだった


360度、一面海で…空界とは違う美しさがある



海に映る綺麗な月に風に揺られる波


まさに癒しと言う言葉が似合う景色に私の緊張はすっかりほどけていた




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