誘拐犯は…神様だったのです!
「ち、違う…よっ…お、おにぃ様…が、いないのっ」
「え、お兄様?」
「う、ん…待ってろって…言われたけど…なかなか来ないからぁ…グスッ」
「………」
「探しに行ったのに…どこにもっ、いな…くてっ…そしたら、ここがどこかっ…わからないよぉ…うわぁぁ」
「……あ」
ギュとしゃがみつく私に抱きつき、泣きつく男の子
あぁ、そうか…お兄様を探して歩いたけれど見つからなくて、ついでに迷ったわけね…
「大丈夫だよ、ほら、泣き止んで」
ポンポンと背中を叩くと、グスッと息と鼻をすすりながら私を見上げる
「私が、一緒に探してあげるから…大丈夫!」
持っていたハンカチを取りだし男の子の涙を拭くと、青く透き通った瞳で私をジッと見つめる
「ほんとぉに?」
「うん、だから、泣かないで一緒に探そう!」
そう私が言うと、泣いていたのが嘘みたいにパァと笑顔になる
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