誘拐犯は…神様だったのです!





「ほんとぉに?ほんとぉに?ほんとぉに?いいの?」


「う、うん」


「ありがとう!お姉様!」


「お…お姉様…?」


お姉様って、なんか照れるな…


あ、そ、そうだ、探すのはいいんだけれどこの子、名前はなんて言うんだろう


「えっと、ところで…キミの名前を教えてくれる?」


「…え?」


名前の言葉にピクッと身体を動かし、男の子は私から離れるニコリと笑う



「俺は…あ、じゃなくて…僕はグレン」


「………え」


グレン?グレン…って…



ドクンと心臓がなり、私の知っているグレンさんの顔が頭に浮かぶと


男の子は首をかしげる


「お姉様は?」

「…え?」

「お名前、なんていうの?」


あ……私ってば、グレンって聞いてグレンさんを思いだしちゃった


たまたまだよね…


「えーと、私は凜って言います。よろしくね、グレンくん」


そう言い、手を差し出すとグレンくんは少し照れ臭そうに私の手を握る


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