誘拐犯は…神様だったのです!
「………?」
「あのね、でも僕より僕のお兄様はもっと格好良いんだよ」
「そうなの?」
抱きつきながら、上目遣いで私を見つめてくる
「うん、格好良くて、頭も良いの、だからすごーくモテるんだよ!」
「へぇ、そうなんだ…奥さんとか、恋人はいないの?」
「んー……」
頬を膨らませ、何か不満がある顔
「嫁はまだいないよ。あと、お兄様の恋人は皆嫌いだ!だって、僕を邪魔物あつかいするんだ!それに、アイツらは悪魔みたいに恐いんだぞ」
「あ、悪魔…って…」
どんな恋人なのよ…
いや、まぁ、私からみたら、大好きなお兄様を横取りする女みたいな感じで焼きもちを妬いてるのかも
なんだか、微笑ましくてクスリと笑うと不満そうだった顔を笑顔に戻し私を見つめる
「だけど、最近のお兄様は恋人を一切作らないんだ」
「へぇ、どうして?」
話を聞くとモテそうなのに…
「んー、でも…お兄様には好きな人間がいるみたいなんだ」
「あ、そうなの?」
「うん、むちゅーなんだって」
へぇ…人間をね……やっぱり、神様って人間を好きになって花嫁にすることが多いんだ
そんなことを思うとグレンくんは口を開く
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