誘拐犯は…神様だったのです!





せめて、最悪ツヴァイさんが見つからなかったら再びトールさんを探そうとも思っていたけれど


警備をしてるトールさんにも会えない



「…はぁ」


グレンくんのお兄様もツヴァイさんもトールさんもなんでいないのよ!


てか、この会場は広すぎでしょう!


すれ違いになってもおかしくないし、なんと言っても沢山いる神様達



なんだか、やっぱりこの中から見つけるなんて途方にくれるような気分で



思わずため息をはくとグレンくんはつかさず私を見つめる


「お姉様、大丈夫だよ。見つかるから」


「え?…あ、そ、そうだね」


って、私が慰められてどうするんだろう…


悲しいのはグレンくんなのに



「ごめんね、ありがとう」


「ううん、僕ね!お姉様のこと気に入ったから許してあげるよ!」



「ふふ」



実はこの30分の間に人間界のことを沢山話してあげたら、グレンくんはすっかり私に懐いていた


人間にある遊び場のことや、食べ物、乗り物のことに興味津々で涙を浮かべていた数分前が嘘みたいに元気になった



「本当に気に入ったんだよ!あ!そうだ!どうせなら、僕の花嫁になりなよっ」


「…え?」


「そうだよ!いいよね??」


私の前に立ち、両手を握りながら青い瞳で私を真剣に見つめてくる



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