誘拐犯は…神様だったのです!




「え、紫音様って…まさか…空界の紫音様のことぉ?」


「…うん、知ってた?」


「うんっ!天界で知らない神様なんていないよっ」


あ、はは…そうだよね、王様だし…


「じゃあ、僕に勝ち目はないやぁ」


「……え?」


「だって、有名だもん。紫音様の花嫁のお話、僕よく聞くよ?」


そ、そうなの?


「お兄様も言っていたよ?紫音様は花嫁が、だぁーい好きなんだって」



「…………え」



グレンくんの言葉にドキッと胸がなり身体が熱くなり、それを見ていたグレンくんはニヤリと笑う


「あれ?お姉様ってば、照れてるの?」


「て、照れてないよっ」


照れてなんかないよ!だいたい、紫音さんが私を好きだなんてないよ


いつも、からかってばかりなだけだし…私はただの偽装なんだから



そうゆう風に思わせる演技に決まってるよ



「でも、顔が赤いよ?」


「あ、赤くないよ!そ、それより早くお兄様を探そう!」


「え?」


グレンくんの肩を掴み、正面を向かせて軽く押すとしぶしぶグレンくんは歩きだす


「わ、わかったよぉ…いくよ」



そうグレンくんが、歩き出そうとすると―――…







「…………あれ?」


「……え?」


不意に立ち止まり、グレンくんはある一点をジィーと見つめる



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