誘拐犯は…神様だったのです!




「はぁっ…お前そうゆうの狡いぞ…全く……わかった、グレン」


「グスッ…うっ…え?」


「僕も悪かった。だから、彼女から離れなさい」


「う…グスッ…もう、怒らない??」


「…あぁ、だからこっちにおいで」



手招きをするグレンさんにグレンくんは、抱きつき嬉しそうに涙をぬぐいながらニコニコと笑う



良かった…そう、ホッとすると不意にグレンさんと目があい、私は慌てて反らす


「………っ」


ドキッとなる心臓…ど、どうしよう…ここからどうすればいいの?


グレンさんとの思いもしない再会、話したいこととか疑問があるけれど


今はどうしたらいいか分からなくて…ただ、沈黙を続けているとグレンさんはグレンくんの頭を撫でる


「グレン」


「ん?なぁーに?」


「僕は、君を助けた姉様と少しお話しをしたいんだ」


「……!?」


「え、お姉様と?」

「あぁ、グレンを助けてくれたお礼もしたい」


「あ……うん?」


「だから少しだけ二人にしてくれないか?」


「え??二人?…あ…あぁ…」


私とグレンさんを交互に見つめ、何かを悟ったのかグレンくんは大きく"わかった"と呟く



「じゃあ、僕は疲れたから先にお部屋に戻る!」


「あぁ」


「お姉様、ほんとぉに有り難うね!今度、お兄様と会いに行くからねっ!」


「あ、…うん」



私がそううなずくと、グレンくんは満面の笑みを浮かべて去って行ってしまった






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