誘拐犯は…神様だったのです!
「あ…あの」
「紫音の目当てはそのネックレスだよね」
「……あ」
胸元に光るネックレスを指差され、ギュウと胸元を握るとグレンさんは視線を落とす
「やっぱり。そのネックレスは、空界の神や、紫音にとっては大切な宝箱をあける鍵だからな…いつかはこうなると予想はしていたよ」
「………」
「分かっていたけど…僕は…それでも、君を自分の物にしたかった」
ぐ、グレン…さん?
自分の物って…言われなれない口説き文句に顔が赤くなり、グレンさんから顔を反らすと彼は私の手を握り
チュと手の甲に唇を落とす
「……っ」
「もう、分かると思うけど、僕は人間じゃない。この界に君臨する神様なんだ」
「………」
「正体を偽り、人間として見た目を少し変え…凜に出会った」
「…グレンさん」
「嘘をついていてごめん」
そう、素直に謝るグレンさんに、今まで抑えていた感情が溢れそうになる
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