誘拐犯は…神様だったのです!
「…凜」
「………っ!?」
「………」
突然、ある人の声が聞こえゆっくりと振り向くと…そこには紫音さんがいた
「紫音さん…?」
目をパチパチさせながら見る私に彼はため息をはく
「はぁっ…キミは…ツヴァイかトールと合流するはずじゃなかったのか?」
「…あ」
あきれたように私に近づき、肩に手を回すと少し強引に引き寄せられてしまい
その拍子に私の手を握っていたグレンさんの手が離れる
「…っ」
「全く、何回わたしを心配させる気なんだ?」
「あ、それは…その…ご、ごめんなさいっ」
耳元に顔を近づけながら、そう囁くと紫音さんはグレンさんを見る
「海鈴、私の花嫁がお世話になったみたいだな」
「…………」
「………?」
グレンさんと紫音さんはお互いを瞬き一つしないで見つめ続け
数秒後、不意にグレンさんがため息をはきながらニコリと笑う
「いや…お世話になったのはこっちのほうだから」
「……」
「はは、紫音、花嫁と仲がいいみたいで」
ニコリと笑いながら言うと、紫音さんは私の肩を抱いたまま頭を撫でる
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