誘拐犯は…神様だったのです!




「あ…グレンさんっ…」


背中を向け立ち去ろうとするグレンさんの背中に声をかけると


彼の瞳が切なそうに揺れる



「…凜」

「……?」

「グレンじゃないよ、僕は海鈴だから」


「………あ」


「名前のことも話してなかった、また次に会えた時にでも」


「…………」


「それと、さっきの話は本当だから。考えておいて」



そう言ったきり、もう振り替えることはなく


会場の混みに紛れていなくなってしまった―…



「…………」


そんな…ねぇ、グレンさん……本当に、また会えるの?本当に?


一気に寂しさが私を襲い、ただグレンさんがいなくなった方向を見つめていると…


「…凜」

「?…あ」


肩にあった手が、さっきまでグレンさんが握っていた手を握りしめ


チュと、グレンさんと同じように唇を軽く落とす


「……あ」


な、なにを…?


いきなりキスをされ、紫音さんをみると、そのエメラルドの瞳でわたしをい抜く



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