誘拐犯は…神様だったのです!




「……し」


動物が獲物を狙うような鋭い瞳。まるで蛇に睨まれたカエルのように私の身体は動かなく


ただ、その瞳を見つめているとペロッと厭らしく私の指を軽く舐め…そのままゆっくりと口を開く


「余裕で…いすぎたかもしれない」


「…え?」


「凜、キミは一度…私の物になったほうがよさそうだ」


「…………?」


私の、もの?


「ど、どうゆう意味ですか…?」


「すぐに、分かる」

「へ?分かるって…あっ」


グイと手を引かれそのまま紫音さんは速足で歩きだす


ちょ、ちょっと!


「し、紫音さん、何処に行くんですか!?」


「帰る」

か、帰る!?


「な、なにを言うんですか!まだ、皆さんに挨拶してないですよっ」



半分以上は終わったけれど、まだまだ挨拶をしなくちゃいけない神様がいるのに!



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