誘拐犯は…神様だったのです!




「別に構わない。どうせ上部だけの挨拶だ」


「そ、それはそうかもしれませんけど…」


でも、それが大事なんじゃないの?


そう思いつつも、ただ彼に引かれるまま歩いていると私達の向かう方向にいたトールさんが私達に気付き立ち止まる



「あれ、凜様に…紫音様!ちょうど良かった!…って…え?」



私の、と言うか…紫音さんの姿を見るなりトールさんの顔がみるみるうちに青くなりさっきの私同様固まってしまう



「あ、トールさんっ」


「…」


「あ、は、はい。承知しました!」



無言の圧力と言うべきか、何もいわない紫音さんの雰囲気をさっし少し怯えるよう言うと



そのままトールさんの横を通りすぎて行く


トールさんってばっ!



言葉や顔は男らしいのに、こうゆう時はだらしないと言うか頼りないんだからっ



あぁっ、もう……




紫音さんも紫音さんで勝手なんだから…



そんなことを考えながら、私はただ紫音さんに引かれるままついて行ったのであった――…







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